プロジェクトの仲間たち

東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授日比谷紀之

海の中には、約2000年で全地球を巡る深層循環とよばれるゆっくりとした流れがあり、高緯度から低緯度に冷たい海水を、低緯度から高緯度へ温かい海水を運ぶことで温暖な気候を支えています。もし、この流れが停止すると、温暖な気候は消滅し、私たちは地球に住み続けることが難しくなってしまいます。SFのような話ですが、実際、約1万年前には、最終氷期が終わって地球が温まってくるにつれ、深層循環が弱まって北から寒冷化が起こったことが知られており、『The Day After Tomorrow』という映画のモデルになりました。現在、地球温暖化が急速に進行しており、このような環境変動がいつ起きてしまうかわかりません。この音楽劇を通じて海の様々な現象に興味を持って頂き、その大切さを感じて頂ければ、海の研究者として嬉しく思います。

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